基礎感覚の働きに不具合があると日常生活にどんな影響がでるのか!?
皆さんこんにちは⚽
基礎感覚の働きに不具合があると日常生活にどんな影響がでるのか!?
発達障害児において、基礎感覚(前庭覚、固有覚、触覚)の働きに不具合がある場合、日常生活や学習、社会的な活動に様々な影響を及ぼすことがあります。以下に、それぞれの感覚の不具合がどのような影響をもたらすかについて詳しく説明します。
1. 前庭覚の不具合
バランスの問題
前庭覚がうまく働かないと、バランスを取るのが難しくなり、歩行中にふらついたり、階段を上る際に不安定になったりすることがあります。これにより、転倒やケガのリスクが高まります。
動作の計画が難しい
体の動きを計画・調整する能力が低下し、日常の動作(例:立つ、座る、方向転換)がスムーズに行えないことがあります。これは、学校での体育活動や遊びの時間に特に影響を及ぼし、他の子どもたちとの協調が難しくなることもあります。
運動に対する恐怖や過剰反応
前庭覚が過敏であると、ちょっとした動きや揺れでも不安を感じるため、ブランコや滑り台などの遊具を怖がることがあります。逆に、鈍感である場合は、刺激を求めて過度に激しい動きを好むことがあり、これも危険を伴うことがあります。
2. 固有覚の不具合
力加減の調整が難しい
固有覚の問題により、適切な力加減が分からなくなることがあります。これにより、物をつかむ力が強すぎたり、弱すぎたりするため、物を壊してしまったり、持ち上げられなかったりします。例えば、鉛筆を握る力が強すぎて疲れやすくなり、文字を書くことが苦手になることもあります。
運動協調性の低下
体の各部分がどの位置にあるかを感じ取る能力が低下すると、動作の連携が難しくなります。これは、スポーツや体を使った遊びで特に問題となり、ボールをキャッチする、跳ねる、走るといった基本的な動作がうまくできなくなります。
空間認識の困難
固有覚の不具合は、空間内で自分の体の位置を正確に把握する能力に影響を与えます。このため、他者との距離感が掴めず、衝突やぶつかりがちになることがあります。また、教室内で自分の席を見つけるのが難しいといった問題も生じます。
3. 触覚の不具合
触覚過敏
触覚に対して過敏である場合、特定の質感や温度に強い不快感を感じます。これは、衣服の素材やタグ、特定の食べ物の食感に対する拒否感として現れることがあります。また、他者との接触(握手や抱擁)を避ける傾向があり、これが社会的な相互作用の障害になることがあります。
触覚鈍感
触覚が鈍感な場合、痛みや温度変化に対する反応が遅れることがあります。例えば、熱い物に触れてもすぐに手を引かない、ケガをしても痛みを感じにくいといった状況が起こります。これにより、安全管理が難しくなり、注意が必要です。
自己認識の困難
触覚の問題は、自分の体の境界を認識する能力にも影響を与えます。これにより、他者との物理的な距離感が適切に取れなかったり、食事中に手や口を正確に動かせなかったりすることがあります。
発達障害児において、基礎感覚の働きに不具合があると、日常生活、学習、社会的な活動において様々な困難が生じます。これらの感覚処理の問題は、適切な支援や療育を通じて改善される可能性があります。感覚統合療法を含む包括的なアプローチは、これらの問題を克服し、子どもたちがより充実した生活を送るための重要な手段となります。